トップページ

きつつき会 ホームページヘようこそ!

会設立と各事業開始の経緯…

 きつつき会(特定非営利活動法人 心身障害児者療育会きつつき会)は1986年(昭61年)に、当時養護学校(現在の特別支援学校)小学部5年生だった子どもたちの中学部卒業後(高等部未整備)の地域在宅福祉環境整備を目的として発足しました。当時かかわった子どもたちのうち2人は、40代半ばとなった今も一緒に日々の活動を共にしています。                    

 1990年(平成2年)には、共働き家庭の養護学校小学部に通うダウン症のお子さんの切実な要望に応じる形で、茨城県内で初めての「障害児学童保育所」(現在の放課後等デイサービス)を開設しました。 

 1994年(平成6年)には、1986年に出会った子どもたちの養護学校卒業(中学部卒業時に高等部整備)後の進路として、茨城県単事業で市町村社会福祉協議会などの公的機関が委託先となっていた「福祉ワークス事業」(現在の生活介護・自立訓練・就労継続支援)の民間初委託として「通所生活施設」を開設しました。                               

 更に、1996年(平成8年)には、民間任意団体運営の福祉施設としては県内で初めての「市街化調整区域での建築制限適応除外開発許可」を受けて「生活ホーム」を建設・開所しました。しかし、小規模事業所が4名定員の「施設入所支援」を継続することは運営上きわめて困難であったため、生活ホーム事業は廃止せざるを得ませんでした。

 2006年(平成18年)に、養護学校小学部1年時から支援継続していた青年が、家庭内での不慮の事故で早世したことを切っ掛けに、早期支援と医療機関との連携支援の必要性を痛感し、2007年(平成19年)から就学前幼児支援(現在の児童発達支援)を開始しました。ほぼ同時期に「茨城における小児の発達を支える地域リハビリテーションを考える会」(略称:茨城小児りはの会)設立記念シンポジウムにパネリスト登壇要請を受けたことを切っ掛けに同会に世話人参加し、この会の様々な機会で小児精神神経領域の専門医の先生方との出会いに恵まれました。         

会の現在

 現在は、心と身体の発達に課題を抱えている子どもたちや青年たちの育ちと暮らし、自立を支えることを目的に5つの小規模福祉事業を行っています。各事業の定員は6名以下で、利用児者は2歳から40代半ばまでとても幅広く、職員子女の事業所内保育も併設しています。心身に障害のない子どもたちと、様々なハンディを抱えている子どもたちが少人数集団活動の「芋洗い」のような環境下で、育ち合っています。                            

 全職員の勤続年数が15年を超えており、大規模福祉施設や保育所・幼稚園、特別支援学校等の勤務経験を持ち、神経発達症(発達障害)領域の専門医との日常的な指導・助言を受け、医療・教育機関と連携して支援に臨むことで日々の実践を通した専門性の向上に努めています。     

 また、2007年以降は専門医からの助言指導と連携を日常的なものとして支援過程に組み込み、発達・自立支援の実践を思い付き的なものではなく、根拠のある体系的なものとして蓄積してい蹴るよう取り組んでいます。加えて、専門医の先生方から紹介いただいていくつかの医療・福祉系の学会に所属して、口述での実践報告や論文発表を行っています。             

利用児者・ご家族と共に

 利用者の皆さんには小規模であることによる「小回りの利いたきめ細かな支援」を、従事者・職員には多様な利用者の方たちと接し、専門医の指導助言を日常的に受けられる環境があるからこその「キャリアアップ」が保証できるよう、「事業拡大」は目指さずに「日々の支援の質の向上」へ向けて法人全体で取り組んでいます。                        

 余談になりますが、21年前に子どもたちと遊んでいた運動公園の草むらでヴィーグル系の「姉弟犬」を保護しました。その姉弟犬が15・16歳の長寿を全うして亡くなった直後にボーダーコリー系の「姉妹犬」を子どもたちと遊びに行った橋の下の公園で保護し、それぞれ施設のマスコット兼セラピー犬・番犬としての役割をもって楽しく暮らしています。             

 施設・サービスを利用している子どもたちも、青年たちも、そのご家族も職員の年齢・背景も多様です。小規模施設ですがその多様性においては「保護犬」の存在も含めて、「社会の縮図」としての幅を持っています。世の東西を問わず、社会の「多様化」が「分断と格差」につながる傾向を示していますが、私たちは「小規模多機能で効率の良くない事業所内にインクルーシブな環境と関係性をつくり、維持していく」ことを目標にしています。              

 会発足以来、福祉制度と現実の要請・ニーズとの「隙間」に落ち込む子どもたちやご家庭を支える役回りでしたが、福祉構造改革後もその立ち位置に大きな変化はありません。捨て犬との出会いも含めて、「社会保障のセーフティーネット強化」への貢献を願いつつ、これからも地域社会の現実に根差した支援の維持・向上を目指していきたいと思いますので、引き続きご支援くださいますよう、よろしくお願いいたします。

「きつつき会」の名前の由来…            

 悪天候で目的の山への登頂をあきらめてビバーク(緊急露営)していた厳寒期の冬山でのこと。 

 樹林帯にに「コツコツ…コツコツ」という乾いた音を響かせて、ブナやミズナラの老木にとりついて樹皮に隠れた虫探しに余念がないアカゲラ(キツツキ)に見とれていました。       

 周囲から「飽きっぽくて、何事も長続きしない」と評され、自分の進路にも葛藤を抱えていた高校生は、このキツツキの粘り強さと、表面からは見えないもの(虫が巣食う樹)を見定める眼力に学びたい…と思い定めました。                             

 そして後年、心身障害児者支援を行う団体の名称として、「目に見えないもの、表面からは分からないもの…人の育ちの可能性や願い・物事の本質を見定めて、慌てずにコツコツと粘り強く諦めずに取り組む」という思い・願いを込めて『きつつき』を選びました。

新着情報

投稿記事がありません。